タイヤに潜む危険!スタンディングウェーブ現象の仕組みと予防のポイント

タイヤのバースト事故の原因の一つに「スタンディングウェーブ現象」というトラブルがあるのはご存じでしょうか? これはドライバー自身も気づきにくい現象で、とても危険なトラブルの一つです。
今回はこの現象の仕組みや起こりやすい条件、防止策について解説します。
目次
スタンディングウェーブ現象の基本と発生条件

まずスタンディングウェーブ現象がどういったものか、どのような条件で起こるのかを解説します。
◇低圧・高速時に起こるタイヤの波状変形
スタンディングウェーブ現象とは、タイヤの空気圧不足で高速走行した時に、タイヤ側面が波打つように変形する現象です。本来走行中はタイヤの接地部分だけが潰れますが、低い空気圧のまま高速回転すると潰れた部分が元に戻る前に再び地面に接地することを繰り返し、タイヤ側面に波状のたわみが次々と現れるようになります。
◇発熱・コード破断に至る
タイヤの波状の変形が続くと、局所的にエネルギーがかかることによって、タイヤ内部で発熱しやすくなります。その発熱によってタイヤを支える補強コードが損傷・破断し、タイヤは構造を保てなくなってバーストにつながります。
つまり、低い空気圧で高速走行を続けると、タイヤの内部過熱による構造破壊が進み、バーストという重大事故につながってしまう恐れがあるのです。
スタンディングウェーブ現象を防ぐには

スタンディングウェーブ現象が起こらないように、以下のメンテナンスをしっかり日頃から行っておきましょう。
◇空気圧の管理
スタンディングウェーブ現象は、タイヤの空気圧不足が原因ですので、空気圧を適正に維持しておくことが一番の予防策です。空気圧は自然に少しずつ低下するため、最低でも月に一度はエアゲージで測り、指定された適正値になっていることを確認しましょう。適正値は運転席ドア付近の表示や取扱説明書で確認できます。
◇過積載をやめる
スタンディングウェーブ現象は空気圧だけではなく、車両の積載量にも大きく関係しています。指定された最大積載量を超えて荷物を積みすぎないように注意しましょう。乗車人数が多い場合もタイヤへの負担が増えますので、スピードを出し過ぎないようにするなど慎重な運転を心掛けましょう。
まとめ
スタンディングウェーブ現象は、空気圧が不足したタイヤでの高速走行中に、タイヤのたわみによる発熱からバーストを起こす危険がある現象のことです。特に長距離運転や高速道路を利用する際には、事前にタイヤの空気圧点検を入念に行い、過積載をやめてトラブルを未然に防ぐように心がけておきましょう。