ネギを箸がわりに使って食べる宿場町の絶品そば
江戸時代の街道には、旅人たちが目的地に辿り着くまで時間がかかることから宿場町が要所要所に設けられていました。現代では交通網が発達したおかげで目的地に向かうまでに宿泊をしなくてもたいていの場所には行けるようになりましたが、昔の風情を残し観光地となった宿場町も数多くあります。
中でも有名なのが福島県は会津にある宿場町の大内宿(おおうちじゅく)。大内宿には名物料理としてネギを箸がわりにして食べるそばがあるのです。
今回は大内宿の魅力に迫っていきたいと思います。
目次
まるでタイムスリップしたかのような宿場町
大内宿は会津西街道(別称:下野街道)の宿場町として栄えた場所です。
現代の宿場町と聞くと、史跡のような形で石碑だけが設けられていたり建物があったとしても今風に改築されていたりするイメージがありますが、大内宿の建物はかやぶき屋根の昔ながらの建造物が立ち並び、言わばタイムスリップしたかのような錯覚を起こしてしまいそうな雰囲気です。
ネギで食べる高遠そばの概要
大内宿には数件の飲食店が軒を連ねていますが、大内宿の名物はおそば。
大内宿のそばは「高遠そば」という江戸時代から代々受け継がれてきたそばで、鰹節をかけたそばを大根おろしを入れただし汁につけ、箸代わりの長ネギで食べるという一風変わったそばなのです。
このネギで食べるスタイルは昔から受け継がれた食べ方ではなく、30年ほど前に三澤屋というそば屋が発祥とのこと。昔は祝いの席や徳川将軍への献上品だったため「切る」というのは縁起が悪いとされ、ねぎを切らずにそのまま使ったのが始まりだとも言われています。
冬の景色は絶景の一言
冬の会津地方は雪深いことでも有名ですが、冬の大内宿は緑が生い茂る春や夏などと違った風情を楽しむことができます。
標高が高い山間部に位置しているということで市街地よりも積雪が多く、一帯が銀世界になります。雪と日本家屋のコラボレーションは絶景とも呼べる場所です。
毎年2月に行われる雪まつりには多くの人々が訪れ、その風情に酔いしれています。
おわりに
大内宿は街道筋とはいえ車で向かう場合は東北自動車道の白河ICより国道289号および国道121号を経由して約50km走る必要がありますが、江戸風情を楽しめる場所のひとつです。
冬場は大雪が降りますが除雪も行われますので、冬の装備を整えれば十分行ける場所です。
大内宿の所在地:福島県南会津郡下郷町大字大内