ハイブリッドカーの回生ブレーキとは?その仕組みやメリットについて
ハイブリッドカーの大きな特徴といえば「回生ブレーキ」です。この技術によって、通常のエンジン車では失われていたエネルギーを効率よく回収し、車の性能や燃費貢献しています。
今回は、そのような回生ブレーキとはいったいどういった仕組みなのかといったことや、メリットについて解説します。
目次
回生ブレーキの仕組み
まずは回生ブレーキとはどのようなものなのか、その基本的な仕組みについて理解していきましょう。
◇回生ブレーキとは?
回生ブレーキとは、車両の減速時の運動エネルギーを電力に変換し、それをバッテリーに蓄える仕組みです。
例えば、自転車の発電ライトに似ています。 自転車のライトをつけると、発電によってペダルが重くなり、前に進みにくくなります。それと同じで、簡単に言えばハイブリッドカーの回生ブレーキとは、発電機によって前進力が弱まる仕組みをブレーキとして利用しているものなのです。
従来の摩擦ブレーキでは、減速時の運動エネルギーが摩擦熱として失われているだけでしたが、回生ブレーキはモーターが発電機としてエネルギーを回収できるようになっています。
◇回生エネルギーを再び走行エネルギーに
回生ブレーキが作動すると車両の減速時の回転運動がモーターに伝わり、発電が行われます。この発電によって生じた電力が車載バッテリーに送られ、再び走行や電装系の稼働に利用されます。
回生ブレーキのメリット
回生ブレーキの具体的なメリットを見ていきましょう。
◇燃費効率や加速性能の向上
都市部などで頻繁に停車・発進を繰り返す環境では、回生ブレーキによる効率的なエネルギー回収によって燃費が改善されます。また、バッテリー電力の活用によって加速時のレスポンスが向上し、なめらかな走り出しが可能になっている点も特徴です。
◇環境負荷の軽減
回生ブレーキは、環境にやさしい点もメリットです。ガソリンの燃焼によって生じる二酸化炭素やその他の排気ガス排出量を減らします。
◇通常の摩擦ブレーキの摩耗が軽減
回生ブレーキを使うことによって、車両の通常の摩擦ブレーキの使用頻度が減少します。減速時の摩擦ブレーキの負担が小さくなるため、結果的にブレーキパッドやブレーキディスクの消耗も少なくなります。
まとめ
ハイブリッドカーの回生ブレーキの仕組みは、発電によって前進力が弱まる性質を、ブレーキとして使えるように工夫された技術と考えるとわかりやすいでしょう。このテクノロジーによって、エネルギー効率が高まっているだけでなく、加速時の応答性も向上し、快適なドライブが実現されています。