一方だけタイヤがすり減る【片減り】について。原因と対策
タイヤは車が唯一地面と接触しているパーツ。「ドライバーの命を支えている」と言っても過言ではありません。
そのタイヤが、少し不思議な減り方をする「片減り(かたへり)」という現象は、ご存知でしょうか?片減りはほうっておくと危険性もあります。ぜひよく理解して、あなたの車でも起こっていないかチェックしてみましょう。
目次
タイヤの「片減り」とは。
本来タイヤは「面」で地面と接し、均一に減っていくものですが、タイヤの内側か外側だけに偏って摩耗してしまうことがあり、それをタイヤの「片減り」と言います。
片減りを放置するのはよくありません。というのも、一部だけすり減ってしまうと、その分だけ減りも早くなるからです。一般的に、タイヤの溝は3mm未満にになったら交換した方がよいとされています。スリップサインの出ている状態で濡れた路面を走行すると、タイヤがうまく雨水を逃がせず、水に浮くような状態になるため、スリップが起きやすくなってしまうのです。
片減りが起こってしまう原因
なぜ片減りが起こってしまうのか、考えられる原因について「内側が減りやすい人」と、「外側が減りやすい人」に分けてご紹介していきます。
◇タイヤの内側が減りやすい人
タイヤの内側が減りやすい人の原因は、ほとんどの場合「アライメント」の調整に問題があります。アライメントとは「自動車のホイールの並び」という意味。タイヤの角度や向きが適正から外れているため、タイヤの一箇所に摩擦が偏ってかかっているのです。
アライメントの調整は自分で行うことはむずかしいので、カーディーラーや整備工場に相談しましょう。
◇タイヤの外側が減りやすい人
外側ももちろんホイールのアライメントに問題がある可能性がまず考えられます。
しかし外側が減りやすい場合は、運転が原因であることも。カーブでスピードを出し過ぎていたり、急発進や急ブレーキが多いと、遠心力でタイヤの外側に一方的に圧力がかかり、片減りしやすくなります。心当たりのある人は、コーナーに入る時はゆっくり、そして出口で少しずつ加速していく「スロー・イン、ファスト・アウト」の運転を心がけましょう。
まとめ
今回はタイヤの内側か外側の、どちらかだけがすり減ってしまう「片減り」という現象についてご説明いたしました。
片減りが起こっているのなら、アライメントが適正値になっていない可能性があります。「車体に感じる振動が妙に大きい」とか、「なんとなくまっすぐ走っている気がしない」とか、乗り心地にも少し違和感があるようならホイールの角度を疑ってみましょう。
車の燃費に影響している面もありますし、なにより安全のためにも、片減りに気付いたらできるだけ早めに対処しましょう。