車の「半ドア」の意外と知らないその仕組みや注意点とは
車の運転をしていると、乗り降りの際に半ドアの警告などが表示されて、ドアを閉めなおすということがあります。しかし半ドアのことはなんとなく知っていても、それは具体的にどういった状態なのでしょうか?
今回は、半ドアの仕組みやリスクについてチェックしていきましょう。
目次
「半ドア」状態が生じる構造的な仕組み
まずは半ドアがどのように起こるか、その構造の基本について解説します。
◇半ドアのしくみ
車のドアは二段階で閉まる機構になっています。ドア側には「ラッチ」という金属の爪、車体側にはピンの形状をした「ストライカー」があり、ラッチがこのストライカーと噛み合って固定されます。ドアを軽く閉めると、ラッチはストライカーに少しだけ引っかかります。しかしこれは一次ロック、あくまで仮止めのような状態で、さらにドアを奥まで押し込むことでラッチが深く噛み合って完全にロックされます。この仕組みによって高い強度が保たれるようになっています。
つまり閉める勢いが弱く一次ロックで止まっていて、見た目では閉まっていても確実にロックされていない状態が「半ドア」なのです。
◇トランクも半ドアがある
トランクやリアゲートにもラッチが使われており、きちんと閉めきれていないと半ドアになります。荷物の出し入れ後は、しっかり閉まっているか注意が必要です。
◇車種ごとの違い
車種によってドアの閉まり方に違いがあります。軽自動車やコンパクトカーはドアが軽く、比較的スムーズに閉められますが、ミニバンやSUVなどはドアが重く、密閉性も高いため、一次ロックで止まりやすい傾向があります。
最近は、スライドドア車などに「イージードアクローザー」という自動引き込み装置がついていることが多くなっています。半ドアでも自動で最後まできちんと閉めてくれるシステムです。
半ドアが引き起こすリスク
半ドアで生じるリスクについてもしっかり理解しておきましょう。
◇走行中のドア開放事故
一次ロックだけでは段差などの衝撃でロックが外れ、ドアが開いてしまう危険性があります。また高速走行で空気圧が外側に向かうことで、ドアが一気に押し出される危険もあります。
◇閉めたつもりのミスを防ぐコツ
まず発進前に警告灯が消えているかを確認する習慣が大切です。ドアは適度な勢いで一気に閉め、二次ロックの音と感触を意識するようにします。また荷物やベルトがドアに挟まっていないかも確認を忘れないようにしましょう。
まとめ
車のドアは二段階のロック機構になっていて、「半ドア」とはそれが一次ロックのままで、完全にロックされていない状態を指します。走行中のドアの開放は非常に危険です。日頃から警告灯が消えているかをきちんと確認し、危険な事故にしっかり注意しておきましょう。